宮崎あきこです。
12月に入り街は一気にクリスマス一色へと彩られています。
キラキラしたイルミネーションの中ジングルベルに耳を傾けると、
数年前の子育てエピソードが蘇りました。
私には小学生の娘がいます。
娘はとても拘りが強く、いつも周囲を困惑させます。
当時幼稚園のクリスマス会でジングルベル♪を気に入った娘。
クリスマスが終わってもなお歌い続け…気がつけば季節は初夏です。
汗ばみながら幼稚園へと自転車を走らせる私は、
夏の間延々とジングルベルを聞かされる羽目に(苦笑)
諸事情で自転車から電車通園にかわった時から悪夢は始まりました。
自転車でのジングルベルは通り過ぎてしまえば一瞬の出来事ですが、
静まりかえった車内では冷たい視線が突き刺さります。
人様の迷惑にならないよう少し小さな声で歌うよう伝えると、
余計に声を荒げて歌い出す娘(苦笑)
クリスマスシーズンにはまだ遠い10月、
季節外れのジングルベルが到着駅までリフレインされます。
ルールを守れない子どもとその母親…車内でたまに見かける光景でしょうか?
公共の場でどのように振る舞うべきか、親がきちんと躾をすべきです。
ですが、子どもの成長は皆それぞれに違います。
発達凸凹で善悪の判断がつきにくい子どもは、社会ルールを理解するのに時間がかかります。
しかし玄関から一歩外に出れば社会です。親としての責任を果たさなければいけません。
自ずと自分の子を注意すること、周囲に謝ることばかりが増えていきます。
ある日、娘の横に年配の女性が座りました。
娘の歌声に気づき、チラリと何度か視線を感じました。
悪夢の20分が過ぎ降車前に謝罪の言葉を口にしようとしたその時、女性から声をかけられました。
「あなたのお嬢さん、とっても歌が上手ね!」
思ってもみない言葉でした。
躾がなっていない!ではなく、
柔和な表情で温かく声をかけてくださったその言葉にふっと心が軽くなりました。
相手を肯定的に捉えるところから人間関係が始まる…それは自分の子どもに対しても忘れていた事でした。
子育てにレッテルを張るのは簡単です。
しかし、そこにほんの少しの創造性があればどうでしょうか?
子どもが電車に乗り込む前に毎回ルールを確認し、それでもその子が暴走したのだとしたら?
刺激の調整が苦手で、子ども自身が安定するために自分の世界に没頭しているのだとしたら?
子育ては理想と現実のギャップに苦しみます。
しかし社会全体で見守る立場の大人が、そこに優しさと創造性を身につけたなら、
もっと安心して子育てができる環境になるのではないでしょうか。
そんな世の中になるよう願いつつ、シーズン真っ盛りのクリスマスソングに聴き入りました。